うつ病になりやすいのは、男性よりも女性に多いと言われています。
なんと「女性は男性よりも2倍、うつ病になりやすい」とまでいわれているのです。

これには幾つか理由がありますが、主なのは、

■女性ホルモンバランス
月経、妊娠、更年期など、ホルモンバランスが変化する出来事が多く、
それによって精神にも影響が出る

■役割が多く、ライフスタイルも不安定
男性は基本的に生涯通して仕事がメインで、そこに夫として父親の活動が付随する。

しかし女性は結婚・妊娠・出産とライフスタイルが変わるキッカケが多く、
不況で男性の収入のみではやっていけない家庭も増えているため、
現代の女性は本当に、さまざまな役割を求められます。

また近所付き合い、子どもの通う幼稚園・学校などでの付き合い、パート先での付き合いなど、
交流が必要な範囲も女性のほうが多くなりがちな傾向。

この2つです。

しかしその反面、
「うつ病で自殺するのは、女性よりも男性のほうが多い」
とも言われています。

女性のほうが、うつ病になりやすい条件がそろっているのに、
自殺するのは男性のほうが多い…
これは不思議なことだと思う人もいるのではないでしょうか。

しかし、
「発症率」と「重度化しやすいかどうか」は、また違う問題なのです。

これには男性の性質や社会的な立場が大きく影響しています。

女性は辛いとき、よく愚痴をこぼします。
周囲に相談します。
自らすすんで病院やカウンセリングにも行く人もいるでしょう。
もともと「男と女なら、女のほうが弱いのは仕方ないこと」というイメージも社会的にありますから、
「心の弱い人」と思われることにも、極端に強い抵抗はない人が多いです。

それに比べると、男性は女性よりも弱音を吐きづらい。
「男は強くないと」「男なら歯を食いしばれ」
みたいな言葉もよく聞きますよね。

なので、うつ病にかかってるのを認めたがらなかったり、
わかっていても「隠して」しまうケースが、女性に比べて多いのです。

また男女平等とはいっても、
実際は職場などでも責任ある管理職などには、男性が就くことがまだまだ多いです。
これは、男性の有利な要素でもありますが、
裏返せば「会社での責任や、家庭での金銭的責任は男性が負いやすい」ということでもあります。

こうした「感情を素直に吐き出しづらいこと」「金銭面や社会的な責任を感じてしまうこと」から、
男性は女性よりも、無理をしやすい傾向があります。

そのため、同じうつ病でも男性のほうが重度になりやすいのです。

更にもう1つ、
「男性のほうが行動力があるので、実際に自殺に至りやすい」
というのも考えられます。

本来、人間には生きようとする本能がありますから、
それに逆い自殺を完遂するには、強い行動力と意思が必要です。

しかし鬱状態だと、行動力が低下してしまうので、
「死にたい気持ちだけど、死ぬための行動を起こす気力もない」
という状態に陥りやすいのです。

行動力が高い人のほうが男性ホルモンが多いことが研究によってわかっていますから、
「自殺したい、という願望を、実現出来るのは男性のほうが多い」
のかもしれません。

ちなみに「女性のほうが2倍うつ病になりやすい」という説自体が間違っている、という人たちもいます。
実際は自殺率と同様、発症率も男性のほうが多い、
でも病院やカウンセリングを避け、自分でも認めずに抑え込もうとするから、
男性のうつ病は数字として現れないだけだ、という考え方です。

私自身は、確かにそういう男性も相当数いそうだ、と思う反面、
しかしホルモンバランスの変化による影響も大きいので、
やっぱり女性のほうが発症率が高そうだ(しかし2倍ほどの差はない)、と思っていますが。

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男女どちらにも理解して欲しいのは、

「心の病気は、決して特別なものではない、恥ずかしいものでもない」

ということ。
そして、それぞれの性の弱点を知っておくのも大切です。

例えば、女性の場合、ホルモンバランスの変化による憂鬱は、
「今はそういう時期なんだ。永遠に続くわけじゃない」
と思えば、本人も周囲の人間も楽になるでしょう。

男性の場合も、
「最近落ち込み勝ちだけど、これは自分が弱いせいなんだ、情けない奴だ」
と自責の念に駆られたときに、
「いやまてよ。でももしかしたら、本当に不味い状態なのかも知れない。
男はうつ病でも無理をしやすいというし、これ以上精神状態が悪くなる前に、
冷静になって一度カウンセリングにみるべきか?」
という選択肢を心の中に浮かべてみるだけでも、少しは違うはずです。

パートナーや身近な方がうつの場合も、これらを考慮することで、
より良い対応を取れる可能性が上がることでしょう。

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