ゲシュタルト療法のキーワードは、
「今、ここ」と「気付き」になります。

また日本ゲシュタルト療法学会では、
「他者との、あるいはコミュニティでの、そして環境全般とのコンタクト(接触)を改善するというゴールをもった、プロセス的、関係的(relational)心理療法」
というふうにも表現されています。

(しかしこれだけでは、正直なんのこっちゃですね…)

正直、ゲシュタルト療法については、分かり辛い文献が多くて、
私も勉強する上で苦労した記憶があります。

以下、ゲシュタルト療法について、
なるだけ分かりやすいように順を追って、詳しく説明していきます。

(ちなみにどういう療法なのか、が大切なことだと思うので、
何年ごろに誰が、とか、どういう経緯でとかは省いています)

■「今、ここ」って?

多くの心理学療法は、「過去の経験」にスポットを当てているものが多く、
過去を分析することによって、問題を解決しようとします。

しかしゲシュタルト療法は、
「現在、”今、ここ”で自分が何をしているのか」という点にとにかく意識を向けるように促すものです。

もちろん、過去の経験が現在の問題に関係しているのは疑いようもありません。
しかしその過去の出来事を話したり、分析するだけでは効果は出ない、というのがこの療法の考え方になります。

つまり
「今、ここ、でその過去にあったトラウマなどの問題を再体験してみる。」
という経験的な療法になります。

そして、それがもう本当に過去のものだというのなら、
”その問題は既に存在しない”ということに気付く必要があります。

■「気付き」って?

「気付き」は人が成長するための、基本的なアプローチです。

私たちは日々、さまざまな情報に触れていますが、
たいていの情報は見過ごし、認識しないままに終わります。

例えば家の壁についている目立たない小さな汚れ。
視界には入っているので、無意識は情報を受け取りますが、
大雑把な性格であったり、そうでなくても疲れていたりすれば、気付かないことも多いでしょう。

汚れがあるのとないのでは、ないほうが良いと思う人がほとんどですよね。
しかし
「汚れにまず気付いてからでないと、拭うことは出来ません」

まあ、汚れなどの物理的なものであれば、
大抵の人はそのうち気付くものですけど、これが心のことになるとなかなか気付き辛いものです。
気付くどころか、自分自身を騙そうとすることすらあります。

例えば
「自分が寂しいと思っている」
「本当は凄くストレスが溜まっている」
という状態なのに、気付かずに、

「なんだか最近楽しくないな」
「寝つきが悪くなった気がするけど、なんでかな?」

しかし気付かなければ、どう対処をするのか、考えることも出来ません。
問題を解決するには、まずは気付くことから始まるのです。

■「気付き」の種類

気付きには、以下の3種類のものがあると言われています。

1.内部領域の気付き(体による気付きのこと。のどが渇いた、足がしびれたなど)

2.中間領域の気付き(知的知識や思考の気付きのこと。水が飲みたい、足のマッサージがしたいなど)

3.外部領域の気付き(現実世界へのアクセス。実際に五感を使って水のペットボトルを発見して飲む、かんたんに足の痺れを取るマッサージを教えてもらい実行する、など)

つまりまずは「喉が渇いていること」に気付き、
それから思考で「水が飲みたいということだ」という具体的な欲求に気付き、
最後に「現実世界で水を飲む手段」に気付いて実行するということですね。

上記は現実的な問題に関してですが、
精神的な「問題」に対しても、基本は同じです。

まずは問題の存在に気付き、それをどうしたいのか思考の上で気付く、そして現実世界にアクセスして思考による気付きを実行する。
そうして、初めて問題は解決します。

■どうやって気付きを得るの?

ゲシュタルト療法では、「気付き」を得るために、
意識を向ける場所を変えること(視点を変えること)に、重点を置いています。

分かりやすい例を挙げると、有名なこの絵。

josei

どこに意識を置くかで、女性にも見える、老婆でも見える。
しかし全体像でみると、そのどちらでもある。

■まとめると?(結局、ゲシュタルト療法ってなんなのさ?)

結局、ゲシュタルト療法とは、

まず自分の体の感覚や感情、気になることや未解決の問題などに焦点を当てる。
自分自身の「気付き」を得て、そして「今、ここ」での体験を通じることで完結し、統合していく。

これによって問題の解決をはかる療法だといえるでしょう。

個人的には分析に終わらず、「今、ここ」で経験するエクササイズ(ワーク)に重きを置いているのが、一番の特徴なんじゃないかと思っています。

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